ショッピングカートの謎(後編)
ムービングウオークで自動的にロックするカート。謎の車輪。
ムービングウォークっていうのは、大型ショッピングセンターにある段差のないエスカレータのことです。
で、
ショッピングカートを押してこれに乗ると、当然ながらカートは走り出してしまう。でも、車輪がロックするので自動的に止まるんです。
こんなシンプルな構造の車輪に、どうやって自動ロック機構を入れているのか。技術屋として興味がありますネ。
初めはウォークは鉄なので磁気でロックしていると考え、あれこれと仕組みを考えつきました。でも、磁気なんかを使ったら床に落ちている鉄粉などが引っ付ききまくって使い物にならない、と知人の技術屋に指摘され、納得。。。。他に思いつかない。。。
近所のスーパーで調べました。床にしゃがみ込んで、手でガタガタと触りながら考えたがわからない。あきらめかけていた時、ふと車輪を持ち上げたら横に付いている薄い円板が下にずれた。
あっ!そうかっ!
円板は下方向に自由に動く仕掛けだったのです。 つまり、
(ここからは私の推察です)円板の直径は車輪と同じ。通常はこの円板は地面に接して車輪と一緒に回っている。ところが、ウォークにさしかかると、その溝に円板だけがはまり下へずれおちる。そうすると円板と車輪と軸がラッチを介して勘合し合い、車輪がロックする。ラッチの機構は想像ですが、設計のポイントは「径方向に移動可能な薄円板」です。これがミソですよ。
奇抜な構造ですね。設計者を尊敬します。
インターネットで製作メーカーを見つけましたので、後日確認したら再度ブログに載せますね。
PROFILE
ASSISTEC技術屋社長 伊藤隆康
ホシデン(株)開発研究所で9年、パナソニック電工(株)制御技術開発研究所で16年間新商品開発に従事。2005年に『株式会社アシステック』を設立し電子機器開発設計支援・コンサルティング業務を行っている。
和太鼓奏者。