テクノロジーと人間
技術の進歩の後ろを人間が追いかけている。。。
先日、修理に出す車と引き替えに来た代車はクラウンの最新モデル。3Dナビはもちろん、バックギアに入れると後方の様子がモニターに映し出されてとっても便利なんですね。
しかも、駐車位置と予想される実車停止位置がラインで示されるので、ドライバーはその差を埋めるようにハンドルを切るだけできれいに駐車できる、、、はずでした。
ところが、
皆さんやってみたことありますか?とてもできるもんじゃないですよね。人間の感覚に全く合致していない。私なんか2秒で船酔い状態になっちゃいました。修理屋さんによると、モニターを見てバックしていてぶつける人が非常に多いらしいんです。
技術の進歩で便利になったはずなのに実は使いものにならない!
人間の方が懸命になって技術の後ろを追いかけているんですね。そう言えば前にも同じような事がありましたね。オートマチック車。最初の頃は不慣れなために暴走事故が多発。おかげでいまや専用の免許までできちゃって。パソコンもそうですね。最初は特殊な人しか使えなかった。。。
昔の”技術の進歩”とは、人間でもできることを人間の代わりにする技術だったけど、今の技術は人間ができなかったことをどんどんやってくれるんですね。バックモニターもどんどん使い易くなってくるんでしょうね。そのうち、教習所の仮免試験の一つになるかも。。。
この代車にはもう一つ感心する機能がありました。サイドミラーの端部の曲率が小さくなっていて、従来より広い範囲を見ることができる。死角と言われる左側の並走車を確実に認識できるんですね。
こんなローテク技術のほうが、はるかに役に立つんだなあ。
PROFILE
ASSISTEC技術屋社長 伊藤隆康
ホシデン(株)開発研究所で9年、パナソニック電工(株)制御技術開発研究所で16年間新商品開発に従事。2005年に『株式会社アシステック』を設立し電子機器開発設計支援・コンサルティング業務を行っている。
和太鼓奏者。