ポンプ容器の謎
シャンプー、、化粧品、などなどなどなど、いろんな容器に使われているプラポンプ。
どこの家庭でも、お風呂には最低3つのポンプ容器があるのではないでしょうか。
それほど、普及しまくりのこの容器、中身はいったいどうなってんの?
さっそく、このポンプを分解してみました。
取り出す液体は違っても、
中をあけるとこんなポンプ部品が入っていますね。
一見単純そうに見えますが、
分解してみると、なかなか工夫されているんですねえ。
水で洗って、さて分解。
スポン、スポン、スポン。
すべて圧入で組み立てられています。ネジや接着材は一切使われていません。
つまり、組立工程ではすべての部品が上方向からの挿入で組み立てられます。だから、高速で、無人で、しかも組立機械の構造もシンプルにできるんですね。
現場では、おそらく1秒間に何個、ってな早さでできてくるんでしょうね。
静止弁の構造(写真中段)
テーパーの付いた白いプラケースに、直径3mm程のメタルボールが入っていて、ポンプを押し下げたときにボールはプラケースの底に押しつけられて流れを止めます。
可動部の構造(最下段)
黄色の長いプラ筒に、左の半透明部品が二つ挿入されます。ポンプの上下動に伴ってそのうちの一つがスライドするようになっているんですね。スライドすることによって流れを止める。この構造はすばらしいですね。
普通なら、板状の弁を考えるところでしょうが、なかなかよく考えてますよね。
(絵がないと説明が難しいので、皆さん一度バラしてみてね)
この二つの流れ止め機構の連携で、シャンプー液が飛び出して来るわけです。
設計した人に尊敬!
さて、そろそろお風呂に入ってこようっと。
PROFILE
ASSISTEC技術屋社長 伊藤隆康
ホシデン(株)開発研究所で9年、パナソニック電工(株)制御技術開発研究所で16年間新商品開発に従事。2005年に『株式会社アシステック』を設立し電子機器開発設計支援・コンサルティング業務を行っている。
和太鼓奏者。