バブで出てきた炭酸ガス分子の数
さて前回は、バブの気泡を容器に集めたら一錠で2リットルのガスが発生した、というところまででした。
今回は、この気体に含まれる分子の数を推定してみるんですね。
そんなことできるのかって?
化学反応の中でも気体については結構簡単に推論出来るんですよ。
「モル」という単位をご存じでしょうか。高校の化学の時間に習いましたね。モルというのは、ある一定の分子の数を表す単位で、
1モル=6.02×1023 (個の分子)の集まり
を指しています。
これをアボガドロ数というのですが、イタリアのアボガドロさんが大昔に見つけたんですね。
で、どのような分子でも1モルの気体の体積は約22.4リットルだと言うこともわかっちゃった。
これってめっちゃ便利なんですね。元素の種類に関係なく1モルは22.4リットルなんですから、どんな気体でも当てはめることができちゃう。
だから、バブで出てきたガス(2リットル)は、1モルが22.4リットルなんだから0.09モルと言うことになるんですね。
これを分子の数で言うと、0.09x6.02x×1023 =5x1022個。
つまり炭酸ガス分子の数は5x1022個あるというわけ。バブ一錠でこんなにたくさんの炭酸ガス分子が出てきたんですね。
PROFILE
ASSISTEC技術屋社長 伊藤隆康
ホシデン(株)開発研究所で9年、パナソニック電工(株)制御技術開発研究所で16年間新商品開発に従事。2005年に『株式会社アシステック』を設立し電子機器開発設計支援・コンサルティング業務を行っている。
和太鼓奏者。